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代表的なyumのリポジトリの設定 (EPEL,Remi,他)

更新日:2024-03-24 12:10:07 登録日:2024-03-11 15:56:19

yumのリポジトリとは

 "yumのリポジトリ"は、LinuxディストリビューションであるCentOSやFedoraなどで使用されるパッケージ管理ツールであるyum(Yellowdog Updater, Modified)において、ソフトウェアパッケージが保存されている場所を指します。これはインターネット上のサーバーやローカルネットワーク内のサーバーにある、パッケージが格納されているディレクトリやリポジトリトップディレクトリのことを指します。

 yumのリポジトリには、通常はソフトウェアパッケージのバイナリファイルやその他の関連ファイルが含まれています。ユーザーはこれらのリポジトリからパッケージをダウンロードしてインストールし、システムをアップデートすることができます。

 yumのリポジトリには、公式のベンダーが提供するものだけでなく、サードパーティーが提供するものもあります。システム管理者は、必要なパッケージを含むリポジトリを選択して、システムに追加することができます。

EPELリポジトリ

EPELリポジトリとは

 EPEL(Extra Packages for Enterprise Linux)リポジトリは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)やその派生ディストリビューション(CentOS、Scientific Linuxなど)向けの追加のソフトウェアパッケージを提供するリポジトリです。

 EPELリポジトリは、標準のRHELやCentOSの公式リポジトリに含まれていない、さまざまなアプリケーションやツールの追加パッケージを提供します。これには、データベース、ウェブサーバー、開発ツール、ネットワークツール、グラフィックスツール、仮想化ソフトウェアなどが含まれます。

 EPELリポジトリは、一般のユーザーやシステム管理者が利用できるように設計されており、安定性とセキュリティを重視しています。EPELリポジトリのパッケージは、RHELやCentOSとの互換性が確保されており、通常は標準のパッケージ管理ツールであるyumやdnfを使用してインストールできます。

 EPELリポジトリは、さまざまなツールやアプリケーションを簡単に導入し、RHELやCentOSを柔軟にカスタマイズするための貴重なリソースとなっています。

EPELに含まれるパッケージ

 EPELリポジトリには、様々な追加のソフトウェアパッケージが含まれています。これらのパッケージは、標準のRHELやその派生ディストリビューションの公式リポジトリには含まれていないもので、さまざまな用途に役立ちます。以下は、EPELリポジトリに含まれるパッケージの一部です:

データベース関連:
MySQL Workbench
PostgreSQL
Redis
MongoDB

ネットワーク関連:
OpenVPN
Nginx
HAProxy
Wireshark

開発関連:
Git
Docker
Node.js
Ruby on Rails

システム管理:
Ansible
Puppet
Nagios
Zabbix

グラフィックス関連:
ImageMagick
GIMP
Inkscape

その他:
VLC media player
R
FFMpeg

 これで全てではありませんが、EPELリポジトリに含まれるパッケージの代表的な例です。EPELリポジトリは定期的に更新され、新しいパッケージが追加されることもあります。必要なパッケージが含まれているかどうかを確認するには、EPELリポジトリの公式ウェブサイトやリポジトリ内のリポジトリメタデータをチェックすることができます。

EPELリポジトリインストール

Amazon Linux 2へのインストール

# amazon-linux-extras install epel

Amazon Linux 2のEPELリポジトリインストール後の設定ファイル

# cat /etc/yum.repos.d/epel.repo
[epel]
name=Extra Packages for Enterprise Linux 7 - $basearch
#baseurl=http://download.fedoraproject.org/pub/epel/7/$basearch
metalink=https://mirrors.fedoraproject.org/metalink?repo=ep7el-7&arch=$basearch
failovermethod=priority
enabled=1
gpgcheck=1
gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-EPEL-7

[epel-debuginfo]
name=Extra Packages for Enterprise Linux 7 - $basearch - Debug
#baseurl=http://download.fedoraproject.org/pub/epel/7/$basearch/debug
metalink=https://mirrors.fedoraproject.org/metalink?repo=epel-debug-7&arch=$basearch
failovermethod=priority
enabled=0
gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-EPEL-7
gpgcheck=1

[epel-source]
name=Extra Packages for Enterprise Linux 7 - $basearch - Source
#baseurl=http://download.fedoraproject.org/pub/epel/7/SRPMS
metalink=https://mirrors.fedoraproject.org/metalink?repo=epel-source-7&arch=$basearch
failovermethod=priority
enabled=0
gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-EPEL-7
gpgcheck=1

CentOS Stream 8へのインストール

# # EPELパッケージから依存されるパッケージがあるため、PowerToolsリポジトリを有効にする
# dnf config-manager --set-enabled powertools
# dnf install epel-release epel-next-release
#
# #上記手順、もしくは↓
# yum install https://dl.fedoraproject.org/pub/epel/epel-release-latest-8.noarch.rpm

epel-next-releaseとは
 epel-next-releaseは開発版であるリポジトリ情報が入っています。通常のEPELリポジトリよりも新しいパッケージが入っていますが、安定版ではない可能性もあるので、注意が必要です。

PowerToolsリポジトリ

PowerToolsリポジトリとは

 PowerToolsリポジトリは、Fedora や CentOS Stream などの Red HatベースのLinuxディストリビューションで利用可能な追加のリポジトリの1つです。
 このリポジトリは、通常のディストリビューションのリポジトリとは別に提供され、より高度なユーティリティや開発ツール、および他の一般的なリポジトリに含まれていないパッケージを提供します。
 CentOS 8では既にインストールされていますが、初期状態では有効になっていませんので、有効にする必要があります。

PowerToolsに含まれるパッケージ

開発ツール:
gcc、make、cmake、autoconf、automake などのコンパイラやビルドツール。

ユーティリティ:
rsync、zip、unzip、tar、curl、wget などのファイル操作ツールやネットワークユーティリティ。

デバッグツール:
gdb、valgrind、strace、ltrace などのデバッグツール。

システムツール:
htop、dstat、htop、iotop、strace、lsof などのシステムモニタリングツールやトラブルシューティングツール。

ネットワークツール:
tcpdump、nmap、wireshark などのネットワークデバッグツールや監視ツール。

セキュリティツール:
OpenSSH、OpenSSL、GnuPG などのセキュリティ関連ツール。

ライブラリ:
libxml2、libevent、libpng、libjpeg などの共有ライブラリ。

バージョン管理ツール:
git、subversion などのバージョン管理システム。

データベース:
MariaDB、PostgreSQL、MySQL などのデータベースサーバーソフトウェア。

ウェブサーバー:
Apache HTTP Server、Nginx などのウェブサーバーソフトウェア。

PowerToolsを有効にする

# dnf config-manager --set-enabled powertools

Remiリポジトリ

Remiリポジトリとは

 Remiリポジトリは、PHP 関連のソフトウェアパッケージを提供するCentOSやRHELなどのRed HatベースのLinuxディストリビューション向けのサードパーティリポジトリの1つです。このリポジトリは、PHP 関連のパッケージやモジュール、その他の関連するソフトウェアの最新バージョンを提供することに焦点を当てています。

 Remiリポジトリには、以下のような特徴があります:

PHP の最新バージョン:
 Remi リポジトリでは、通常の CentOS や RHEL リポジトリに含まれているバージョンよりも新しい PHP のバージョンが提供されます。これにより、開発者やシステム管理者は最新の PHP 機能やセキュリティパッチを利用することができます。

PHP 拡張モジュール:
 Remi リポジトリには、PHP と関連する多くの拡張モジュールやライブラリも含まれています。これには、MySQL、PostgreSQL、SQLite、GD、Imagick などが含まれます。

関連するツール:
 Remi リポジトリには、PHP 開発やデバッグに役立つツールやライブラリも提供されています。たとえば、Composer、PHPUnit、Xdebug などが含まれます。

 Remiリポジトリは、PHP 開発者や Web 開発者が最新の PHP 環境を利用したい場合や、特定の PHP 拡張機能を使用したい場合に役立ちます。ただし、サードパーティリポジトリであるため、セキュリティや安定性の観点から注意が必要です

Remiリポジトリインストール

Amazon Linux 2へのインストール

# yum install https://rpms.remirepo.net/enterprise/remi-release-7.rpm

CentOS8へのインストール

# yum install https://rpms.remirepo.net/enterprise/remi-release-8.rpm

インストールしたリポジトリの一覧確認

# yum repolist

GhettoForgeリポジトリ

GhettoForgeリポジトリとは

GhettoForgeリポジトリは、CentOSやRHEL(Red Hat Enterprise Linux)などのRed Hat系Linuxディストリビューション向けのサードパーティ製パッケージリポジトリです。このリポジトリは、特定のソフトウェアパッケージやツール、ライブラリなどを提供し、これらのディストリビューションでのシステム管理者や開発者のニーズに応えることを目的としています。

GhettoForgeは、通常のCentOSやRHELの公式リポジトリには含まれていないパッケージや、更新されていないバージョンのパッケージを提供することで、ユーザーがより新しいソフトウェアを利用したり、特定の機能や機能拡張を追加したりできるようにします。

ただし、サードパーティのリポジトリを使用する際には注意が必要です。セキュリティや安定性の問題が発生する可能性があります。そのため、信頼できるソースからのみパッケージをインストールすることを推奨します。
一般的にはGhettoForgeリポジトリには以下のようなものが含まれることがあります。

開発ツール:
GCCやMakeなどの開発ツール
GitやSubversionなどのバージョン管理システム

データベース:
MySQLやMariaDBなどのリレーショナルデータベース
PostgreSQLなどのオブジェクトリレーショナルデータベース

ウェブサーバー:
Apache HTTP Serverなどのウェブサーバーソフトウェア

言語ランタイム環境:
Python、Ruby、PHPなどのプログラミング言語のランタイム環境

ネットワークツール:
OpenVPNやWiresharkなどのネットワーク関連ツール

セキュリティツール:
セキュリティ関連のツールやライブラリ

その他:
さまざまなユーティリティやアプリケーション

GhettoForgeリポジトリインストール

Amazon Linux 2へのインストール

# yum install http://mirror.ghettoforge.org/distributions/gf/gf-release-latest.gf.el7.noarch.rpm