FTP(File Transfer Protocol)のパッシブモード(Passive Mode)は、FTPセッション中にデータ転送を行う方法の1つです。FTPでは、制御接続とデータ接続の2つの接続が行われます。制御接続はFTPのコマンドやリプライを送受信するために使用され、データ接続はファイルの実際の転送に使用されます。
パッシブモードでは、データ接続を確立するためにクライアントからサーバーに対して新しい接続を開始します。これは、通常のアクティブモードとは対照的です。通常のアクティブモードでは、サーバーがクライアントに対してデータ接続を開始します。
パッシブモードの主な利点は、ファイアウォールやNAT(Network Address Translation)などの障害物を回避しやすいことです。これは、データ接続がクライアントからサーバーに向けられるため、サーバーからクライアントに向けられるアクティブモードよりもセキュリティ上の問題が少ないからです。
パッシブモードでは、データ接続用のポート範囲を指定することが一般的です。これは、サーバーがクライアントに対して使用するポート範囲を制限するためです。クライアントは、制御接続を介してサーバーにポート範囲を通知し、その範囲内でデータ接続を開始します。
総括すると、FTPのパッシブモードは、通信のセキュリティと信頼性を向上させるために使用される、データ接続を開始する方法の1つです。